活字の森 思考の迷路

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法華経が人類滅亡を救うというお話

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先日、飯田橋のヒカルランドパークに京都・蓮久寺の三木大雲住職の講演を聴きに行った。

三木住職は「怪談説法」で知る人ぞ知る存在。私も三木住職の存在を知ったのはYouTubeで怪談を聴いたからだった。そして、このご住職がすごいと思うのは、説法のために怪談を語っているところだ。私の祖父母も日蓮大聖人を篤く信仰していたのでとても親近感がわいた。

ところで日蓮宗は宗派によって日蓮聖人と呼んだり日蓮大聖人と呼んだりする違いがあるが、三木住職は日蓮聖人と呼んでいらした。しかし私の祖父母は「日蓮大聖人」「大聖人様」と呼んでいたのでこのブログでは日蓮大聖人と呼ばせていただきたいと思う。日蓮聖人にすると何だか格下げしたような気がして申し訳ないような気がするし、日蓮と呼び捨てで書くのも微妙な罪悪感を覚える。門前の小僧習わぬ経を読む的なアレなのだと思う。実際お経も読めるし。

bunshun.jp

 

さて、私が聞きに行った三木住職の講演会は怪談説法ではなく、「時空とつながる≪UFO・魂・魔界≫講座」の【法華経は高次元存在からの贈り物】というものだ。タイトルが胡散臭いのはオカルト系の書籍やグッズを販売しているヒカルランドならでは。しかし私は三木住職の説法が胡散臭いとは思わなかった。日頃信仰と全く関わりのない生活をしている人にとっては充分オカルトなのだと思うが。

 

三木住職のお話の内容をここに全て書くわけにはいかないが、終末が予言されているといわれるお経について話されたことを書こうと思う。何しろ今年は聖徳太子生誕1400年、日蓮大聖人生誕800年という法華経を重んじたふたりの偉人の生誕の節目が重なる年。オカルトの世界では聖徳太子日蓮大聖人もお経を用いて終末を予言したといわれている。

 

三木住職は真理と悟りは別のものだと仰った。悟りというのは「人間は絶対に死ぬ」ということについて「わかった」ということ。真理というのは例外のない地球上のみんなに当てはまる法則で、悟りよりも前から存在している。そしてお経というのは、人生をゲームに例えるならばゲームの攻略本のようなもので、人生をこう生きるとこうなるということが書かれているのだそうだ。ところが、お経はたくさんあるが、効力を失うお経があるのだという。

  1. 正法:釈迦の滅後、その教えと修行を実践することで悟りを開くことができる1000年間
  2. 像法:教えを学び修行する者はいるが悟りを開く者はいない1000年間
  3. 末法:釈迦の教えは効力を失う。法華経の教え=南無妙法蓮華経でしか救われない

鎌倉時代、様々な宗派の高僧がいまは末法末法ではないか(南無妙法蓮華経を説く時代かどうか)悩んでいた。そこに日蓮大聖人が現れていまはもう末法だとして南無妙法蓮華経を説いた。だから念仏を唱えていた高僧も南無妙法蓮華経に一番力があるということを本当は知っていたのだとか。そのこともきちんと文書で残っている。

 

お経の中にはこれからこの世の中はどうなっていくのかも書かれていて、三木住職はそのお経に照らし合わせて2019年の12月のとある講演で「みんなの心が乱れているからこれから疫病が流行る」と伝えたというがそのときはちゃんと取り合ってくれる人はおらず席を立つ人までいたそうだ。しかし、実際にその後新型コロナウイルスが世界を混乱させている。2019年の時点で、本当に疫病が起こると三木住職には確信があった。お経の中には人心や世の中が乱れてくると三災七難といわれる禍が起きるとちゃんと書かれているからだそうだ。

また、世の中が滅亡に向かうときには順番があるようで、お坊さんが髪を伸ばし始めると虚空に大声が響き、地上にあるものは全部水車のように回って城壁は破れ落ち下り、建物は全部落ちる。草木はみんな枯れて全部ダメになる。正しい教えを実践した人たちの住む場所以外のところは全部なくなってしまう、と。いまは髪を剃らないお坊さんも多いらしい。

三木住職は虚空に大声が響き地上にあるものはすべて水車のように回って……というのはポールシフトを指しているのではないかと仰っていた。いま地軸がずれていることは多くの人が知っているだろう。

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末法に起きるという三災七難とは次のようなものだ。

≪三災≫

  1. 穀貴(こっき) 飢餓などによる穀物の高騰
  2. 兵革(ひょうかく) 戦乱
  3. 疫病(えきびょう) 伝染病の流行

≪七難(経典によって異なるらしい)≫

  1. 人衆疾疫難(にんしゅうしつえきなん):疫病の蔓延
  2. 他国侵逼難(たこくしんぴつなん):他国から侵略される
  3. 自界叛逆難(じかいほんぎゃくなん):国内で反乱が起こる
  4. 星宿変怪難(せいしゅくへんげなん):天体の異変
  5. 日月薄蝕難(にちがつはくしょくなん):太陽や月が陰ったり蝕したりする
  6. 非時風雨難(ひじふううなん):季節はずれの風雨
  7. 過時風雨難(かじふううなん):季節になっても雨が降らずに干ばつになる

人心が乱れ正法(正しい教え)に背くとこれらの3つの災いと7つの難が起こるのだという。日蓮大聖人ご在世当時もそうだった。鎌倉時代は飢饉があり疫病が流行り幕府への反乱が起こり元寇があった。この三災七難がオカルト好きの間では有名な「日蓮の終末予言」といわれているものだ。こうしたカタストロフを避けるために大聖人は迫害覚悟で南無妙法蓮華経を説いた。正しい教えを説くと迫害に遭うことさえもお経に書かれているのだという。

鎌倉時代、正法を用いなければ国は滅びると説いた大聖人を鎌倉幕府は用いなかったばかりか幕府や諸宗を批判したとして捕縛。首を撥ねようと鎌倉の龍ノ口の浜にある刑場に引っ立てた。いざ処刑せんとしたときに江の島方面から飛んできた光の球に邪魔をされて首を撥ねることができないとなると佐渡流罪とした(三木住職はこの光球はUFOだったのではないかと仰っていた)。正しい教えを説くと迫害に遭うとお経に書かれていた通りだ。

日蓮大聖人がいった通り元が攻めてくると鎌倉幕府は手のひらを返して助言を求めたが、大聖人は身延山に籠もってしまった。これは自分の意見が受け入れられなくて世の中が嫌になって籠もったのではなく、強い祈りを捧げるために身延に入り、実際に神風を吹かせたのだと三木住職は推察されていた。

 

いまも三災七難の時代になりつつある。三災でいえば疫病の難はもう起きている真っ最中だし、小麦などの価格はどんどん上がっている。残すところは戦乱だけだ。

七難でいえば人衆疾疫難はやはり新型コロナにより実現してしまっているし、他国侵逼難は尖閣諸島竹島が当たるだろう。星宿変怪難はいまポールシフトが起きつつあるし、非時風雨難や過時風雨難は昨今の異常気象で身にしみている。

これらが全部起きると人類滅亡ということになってしまいそうだが、まだ全部の難が起きているわけではないから今なら間に合うと三木住職は仰った。では、大聖人がいない現代、我々は一体どうすればいいのか。それもお経の中に書いてあるのだと三木住職は教えてくれた。日本が戦争に巻き込まれないようにするためには善神捨国(いい神様が国を去る)されないこと。仏教をないがしろにすると神々は守護をやめて天上に帰ってしまい、国は荒廃して災害が起きる。お坊さんでない我々に唯一できることは神や仏に愛される生き方をすること、いかに正しく生きるかということだという。電車でお年寄りに席を譲ること、落ちているごみを拾うこと、そういったことでもいいからどんどん徳を積む生き方をすることなのだそうだ。

「正しいお坊さんが政治家や総理大臣にならないと助からないのではないか」と質問した方がいらしたが、三木住職はお坊さんに政治家はできないと答えられた。政治家は60%の人を助けるために40%の人を犠牲にするような決断をしなければならないが、お坊さんは平等に人を救うことを考えなければならないから政治はできないのだと。その代わり、正しい法を説くお坊さんや正しい生き方をする人を増やせばまだ間に合うと。

正しい生き方を自分も小さなことからしていこうと思った。

そして、祖父母が唱えていた法華経や題目は正しいし、力があるのだとあらためて感じることができた。祖父母はよく「困ったことがあったらお題目を唱えなさい」と言っていたが、幼い頃からそれで助けられてきたことがたくさんあったことも思い出した。

 

三災七難のことだけをピックアップして書いたが、本当はもっともっと面白いお話もたくさんあった。お経に書いてある通りに貧困から救われた三木住職の体験談、仏教は物理学だという話、お経の中にはブラックホールについても書かれているという話、どれもこれも興味深いものばかりで2時間ではとても足りなかった。聴き足りない。三木住職がzoom説法を開催していらしたら受講したいと思ったくらい。私は元々学生時代から講義が好きで日本史も大好きなのでワクワクした2時間だった。こんなにワクワクしたのは久しぶりだった。