活字の森 思考の迷路

読んだ本や考えたことなど徒然なるままに書いていきます

なぜ勉強しないといけないの?

今回は「どうして勉強しないといけないの?」という多くの子どもが1度は持つであろう疑問に対する回答のお話。あまり勉強が好きではない子どものみなさんにお話しするように書いてみたいと思う。

なぜそんなことを書くのかということはブログの最後の方で明かしたい。

 

 

 

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私が考える勉強した方がいい理由

「いいなあ大人は。宿題しなくていいし」

「数学や物理、古典なんて社会に出てから使わないじゃん」

「テストばかりで嫌になる」

そうそう、そう思うよね。子どもは本当に大変。大人たちは「子ども時代が一番幸せだ」「今が一番いい時期だ。大人なんてつまらないぞ」なんて言うけど、本当にそう?

そうとも言えるし、違うとも言える。けれど、きみたちよりもずいぶん年を取っているから言えるけれど、勉強は絶対にした方がいい。

 

以前、家庭教師などで小中高生に接しているときには

「どうして勉強しなきゃいけないの?」

と聞かれたら、私は

「それは将来の自分の夢を叶えるためだよ」

と答えていた。

たとえば小学生や中学生の頃に、勉強が嫌でさぼってばかりであまり成績がよくないとする。けれど、高校生になったときにある日とつぜん使命に目覚めて「弁護士になりたい!」とか「お医者さんになりたい!」とか「外交官になりたい!」とか「宇宙飛行士になりたい!」と夢を描く。その時点ではもう夢じゃなくて目標になり得るかもしれない。

ここで問題になってくるのが成績だ。なりたい職業が頭のいい人しかつけないものだったら自分が一番がっかりする —— ここでいう頭がいいというのは、遊びたいなと思う気持ちと戦って、真面目に勉強に取り組んでそれなりにいい成績をとっていること —— 要は勉強ができる方が将来のお仕事選びの幅が広がる。

そんなわけで、将来、夢を見つけたときに挑戦できる位置にいるためにも勉強しておいた方がいいよ、と思うのだ。

 

けれど、最近は「どうして勉強しないといけないの?」の質問にもうひとつ違う答えも考えている。それは「将来、悪い人たちにだまされないためだよ」ということ。

最近は詐欺の手口も巧妙化していてどんどん見破るのが難しくなっている。なぜか悪い人たちは善良な人たちからお金をだまし取ることにかけてはすっごく知恵が働く。フィッシング詐欺だって、だんだん本物のカード会社や銀行から来るメールと見分けが付かなくなっている。ほかにも、仕事上で人をだますような悪い業者さんもいる。この人たちにだまされないためにも勉強はしておいた方がいいと思う。

「悪い人にだまされるのと勉強とどういう関係があるの?」

と不思議に思いますか?

私はふたつの理由で関係があると考えている。

ひとつは勉強をしていないと頭がよさそうな人に言いくるめられやすくなってしまうこと。自分は成績が悪いな、頭がよくないな、と思っているとなぜかちょっと頭のよさそうな人、弁が立つ人の言うことに疑問を持てなくなってしまう。子どもの頃からあまり成績がよくないと自分の方が間違っているんじゃないかと思うクセがついてしまうというのかな。自分に自信が持てないとだまされやすくなってしまう。そういう人でも「あの人の言っていること、本当かなあ?」と本能的に感じることはある。けれど、自分に自信がないと反論もできない。そうするとやはり言いくるめられることになってしまうのだ。

ふたつめは頭を使う習慣がないと、間違ったことを聞いても自分の頭で考えてそれは違うと見破ることができづらくなるという理由。脳みそは使ってあげないとあまり働かなくなくなるなまけ者らしいんだ。たとえば周りのみんなが間違った考えを持っていたとしても「みんなが言っているから」というだけで流されてしまう。「考えてもみなかった」と。だから勉強=自分の頭で考えるクセをつけることはとても大事。

以上のことから、将来の自分を不幸から守るためだと思って勉強した方がいいんじゃないかな、と思う。

 

人間は一生勉強を続ける

そして、「大人は勉強しなくていいな、宿題がなくていいな」と思うのは大間違い。国語や算数といった「教科」の勉強はなくなるけれど、実はデキる大人はお仕事のための勉強をしている。仕事と勉強の両立は意外に難しい。それでも自分の仕事に関係する本を読んだり、セミナーを聞きに行ったり、スキルを上げるために資格を取ったり。通勤電車の中で語学学習を続けている人もいる。

病院で立派に働いているお医者さんも、日々進歩していく医学を治療に取り入れるために勉強している。

お店屋さんも「どうしたらたくさんのお客さんに来てもらえるか」「どうしたらお客さんに喜んでもらえるか」と考えて他のお店を見に行って参考にしたり、接客の勉強をすることもある。

レストランのシェフも新しいメニューを考えるために食材の勉強をしたり新しい調理方法を学んだりしている。

会社でお仕事をしていない大人も日々勉強をしている。専業主婦のお母さんは家族に健康的でおいしいごはんを作るためにレシピを探したり健康情報を仕入れたりしている。しかも、そういうごはんをいかに節約しながら作るのかも毎日の生活のなかで研究している。

おじいちゃんやおばあちゃんになっても、孫とたくさんお話ができるようにスマホを使えるように勉強したり、パソコンを勉強したりしている人もいるし、長い人生の中で一度もやったことのない新しい習い事を始める人もいる。

ここにあげたのはほんのわずかな例だけど、多くの大人がいまよりももっといい自分になろうと思って勉強をしているんだ。

 

要するに一生涯勉強なんだけど、本当は小中高の勉強が一番つらいということは知っている。好きでもない教科や苦手な教科もやらないといけないし、テストや受験に追い回されるし、そういうことから逃げることもできない。私もかつては子どもだったのでみんなのつらい気持ちが少しはわかるつもり。正直言うと私ももう高校受験と大学受験はやりたくないと心の底から思っているし。

けれど、人生は子ども時代よりも大人になってからの方がずっとっずと長い。小中高の12年間、勉強で苦しんだとしても、大人になると好きなことを学べるようにもなる。私は勉強は高校時代からちょっと面白くなって、大学からすごく楽しくなった。高校でも大学でも苦手な科目はあったけれど、好きなことを勉強できる時間が増えるからね。

 

そしてここで正直に告白。

どしてここで「勉強した方がいい」なんて書いているかというと、自分が小中高でちゃんと勉強しなかったことをいまちょっと後悔しているから。

私は勉強がそれほど嫌いだったわけではないけれどとてもなまけ者であまり真剣に勉強に取り組まず、テストの前日に「あした地球がバクハツしてなくなっちゃえばいいのに!」なんて考えるような子どもだった。その結果、それなりの高校にしか進学できなかったし、ということは大学もそれなりだった。高校生活も大学生活も抜群に楽しかったけどね!

けれど、もしも生まれ変わったら、子どもの頃からちゃんと勉強して今世よりもいい高校と大学に進学して本当に就きたかった職業に就こうと思う。実は、本当に就きたかった職業は専門性が高くてそういう大学でしかるべき勉強をしないとなれないものだったんだ。高校のときにその仕事がいいなと思ったんだけど、それではちょっと遅かった。いまの仕事はなんとな〜く生きてきた結果手に入れたもので、その仕事も周囲からは面白そうなお仕事だと思ってもらえるようなものではあるんだけどね。

そして、いまは何を勉強しているのかというと、こうして毎日ブログなどを書くことで文章の構成や書くことの練習をしたり、知識を仕入れるために読書をしたりしている。それが役に立つことなのかどうかはわからないけれど、人間はいずれ全員死ぬ。そのときにお金やモノはあの世へ持っていくことはできないが、知識や努力したことや人を大事にしたり愛したりしたことは来世に持ち越しできるのだそうだ。例えば、モーツァルトは前世でも音楽をやっていたといわれているし、野球のイチローさんや大谷翔平選手も前世でも野球をやっていたといわれている。将棋の藤井聡太三冠もおそらくそうなのだろう。ということで、来世、いろいろなことをゼロからやり直しにならないように、いまできることはちゃんとやっておこうという気持ち。子どものみなさんにはちょっぴり残念なお知らせだけど、人間は一生涯、いや、生まれ変わってもまた生まれ変わっても勉強したり努力したりすることからは逃れられないのです。

 

勉強の苦しみを減らす方法

もしも勉強や努力などの苦しみを少しでも減らしたいのならば、早いうちに自分が本当に大好きなこと、やりたいことをみつけること。エンゼルスの大谷選手はものすごい努力をして今シーズンたくさんの記録を打ち立てている。けれど、周囲からはすごい努力にみえるけれど本人は野球に関することならどんな練習でも楽しいのだと思う。ご本人も野球にかけてきた時間は誰にも負けないとおっしゃっていたことがあるが、そんな風にみんなも自分が好きなことのためならば勉強もへっちゃらになると思う。

子どものみなさん、私も来世に向けて残りの人生でいろいろなことを勉強していこうと思います。なのでみなさんも、明るい将来を手に入れるためにいましばらく勉強に励んでみてくださいね。みなさんに明るい将来が訪れますように。