活字の森 思考の迷路

読んだ本や考えたことなど徒然なるままに書いていきます

「ヒューマンバンドをチューニングすれば全てが思い通りになる」

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私は性格が鬱っぽいので自分を元気にするための本を読むことが多い。

そういう本を探していて数年前に出会ったのがうさぎ著「ヒューマンバンドをチューニングすれば全てが思い通りになる」だ。サブタイトルがまたよくて「いつでも誰でも簡単に、望みを叶える量子物理学的手法」というなかなかそそられる文言だったりする。

ヒューマンバンドとは何かというと、あらゆる物質はエネルギーの振動によって成り立っていて、人間も例外ではない。つまり波動を放っている。だから、

 意識という、人間が放つ波長の反応は,電波という次元ではないけれども、その理屈は電波の送受信と同じです。そこで、人間の送受信する波長の範囲を、ヒューマンバンドと読んでみました。それをチューニングすれば、つまり求める波長と合致させれば、今日から全てが貴方の思い通りになります。

というもの。そのヒューマンバンドのチューニング法が書かれているのが本書だ。その原理は以下のようなもの。

望みが叶う人と叶わない人

 【その1】

思考と行動のパターン

叶う人は……

 人や物事への肯定的な思いと行動(感謝、与え)がプラスのエネルギーを放つ。すると自分の外のプラスのエネルギーに同調。

 肯定的な思いと行動が多くなると、同調したプラスのエネルギーが飽和。

 肯定的に思える現象が、結晶としてあらわれる。

 

叶わない人は……

 人や物事への否定的な思いと行動(不満、要求)がマイナスのエネルギーを放つ。すると自分の外のマイナスのエネルギーに同調。

 否定的な思いと行動が多くなると、同調したマイナスのエネルギーが飽和。

 否定的に思える現象が、結晶としてあらわれる。

 

ということでプラスのエネルギーを放った方が断然いいのだ。

ところが人間はいつもプラスのことばかり考えられない。そこでどうしたらプラスのエネルギーの方へヒューマンバンドをチューニングするのかというと、まずチューニングによって実現させたいこと叶えたいことを具体的に決め、それを正しくチューニングする言葉にする。

「〜になりたい」ではいつまでもなりたいと願っている状態ばかり実現させてしまう。だから「私は〜だ」がチューニングに使う言葉。次はそうなっている自分への感謝。実現する前から実現したことに感謝する。「〜になれました。ありがとう」。そう、引き寄せの法則と同じ原理なのだ。引き寄せの法則ではなりたいもの実現したいものに執着すると却ってまだ実現できていない現実を実現させると考えるが、ヒューマンバンドでは

望むものと同種の物事に対して普段から感謝や与えといった思いや行動をとって、よいエネルギーを蓄積してゆく。それが増幅して飽和状態に達するまで続けてゆく。そして断定した結果の言葉、それに感謝する言葉、それを一体として発するだけです。それがチューニングです。

ということで、よい言葉とよい行動が体内で飽和するまで続けていく。

様々な実験とともに書かれているので試して楽しんでみるとよいと思う。

 

著者のうさぎさんは工学修士で元大手企業北米事務所代表。

ヒューマンバンドとそのチューニング方法などについてとても理論的に知的に書かれているのがとても面白い。恐らく男性だと思うが現在はビジネスの第一線を退き、うさぎのようにおだやかな日々を過ごしていらっしゃるらしい。

そしてもうひとつ、この本の何がすごいかというと、その価格設定にある。シリーズで11作ほどあるが、いずれもKindleだと100円。儲けのことは考えず、みんながヒューマンバンドをチューニングして幸せになればよいとお考えなのかもしれない。

各章が電車の中で読むのに適した長さなので、私はシリーズをほとんどKindleに入れている。そして、「あれ、またヒューマンバンドのチューニングが狂ったぞ」というときに電車の中で読んでいる。

めっちゃめちゃ理論的な、理数系の人が形にした引き寄せの法則と言っていいかもしれないヒューマンバンドのシリーズ。元気がないけど元気になりたいときにおすすめ。