活字の森 思考の迷路

読んだ本や考えたことなど徒然なるままに書いていきます

どうしても読み進められない

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面白い本、興味のある本はサクサク読めるのは普通だが、多少つまらない、読みづらいと思った本でも買ってしまったからには最後まで読もうと思う。

けれどもどうしても手こずってしまう本がたまにある。

私にとってはタデウス・ゴラスの「なまけ者のさとり方」がそのひとつだ。いや、もっとも手こずっている本と言ってもいい。

 

 

この本は数年前に一度読んだが、そのときも読むのに大変苦労した。一応読了したが目が滑っただけで頭には入らなかった。そして当然頭にも入っていない。

あのときはたまたま体調がそうだっただけでいまなら読めるかもしれないと思って本棚から引っ張り出して読み始めたが、状況は数年前と変わらない。何故だ。

 

なまけ者が悟るには難行苦行をするのではなく、自分自身にもっと優しくなり、いつも心に愛を持っていると悟りを実現できる……というのだが、いつも心をオープンにしておくとか、あらゆるものを受け入れ自分の中に取り入れるとか、何にもとらわれず愛に基づいて行動し、自分が気持ちよく幸せを感じることをする、とか、ゴラスさんはそもそもなまけ者でもなければ悟りから遠い場所にいる人でもない。どちらかというと体中の穴という穴から愛がダダ洩れている敬虔なクリスチャンといった感じだ。

そういう本がなぜ頭に入ってこないのかとても不思議に思う。普段、これよりも小難しい本も読んだりするんだけどなあ……。文章が自分に合っていないのかと思ったが、山川紘矢・亜希子夫妻の訳本はいままで何冊も読んでいるしなあ。

学生時代、文学の課題で読まされた五味川純平の「人間の条件」はすっごく自分に合わなかったけれど読了できたのになあ……。「なまけ者のさとり方」はそれほど長くないのに全く歯が立たない。読後の感想を書くつもりが、まさか読み進められないことを告白するはめになるとは。

他の人にもこういう「絶対に読み進められない、読んでも頭に入らない本」ってあるのかな。そういう現象を体験することあるのかな。私の脳が人並み外れて性能が悪いだけなのかな。

さとる前にいろいろと悩んでしまう。