活字の森 思考の迷路

読んだ本や考えたことなど徒然なるままに書いていきます

マルチタスクで脳がヤバイ

学生時代、音楽を聴きながらやテレビを見ながらの「ながら勉強」をしたことのある人は多いと思うし自分もそうだった。そして社会に出て働き始めると会議に出席しつつ手元で別の資料を作ったりするようになる。そうやって関係のない別々の作業を同時進行で行う人の方ができる奴、というイメージが強かった。

また私生活でもテレビを見ながら食事をしたりラジオを聞きながら家事をしてしまう。ひとつの作業だけを行うのは時間がもったいなく感じてしまうのだ。しかし実はこの関係のない作業を同時に行う「マルチタスク」という行為が脳にダメージを与えるのだそうだ。私はそのことをネットの記事で読む前に自分の能力、思考力、気力の急激な衰えから「もしかして脳疲労しているのかな?」となんとなく気づいていた。気づいていたが止められなかった。

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人間の脳は厳密にマルチタスク処理を行えないらしい。集中力を向ける先を素早く切り替えているだけで、決してマルチタスクで処理できているわけではない。それなのにマルチタスクを続けていると脳に大きなダメージがあり、放置すると若年性認知症にもつながりかねないらしい。ほかにも学習能力の低下、ストレスホルモンの過度な刺激のせいで頭にもやがかかったような状態になる、新たな刺激を次々と取り入れたくなるドーパミン中毒、記憶力の低下、IQの低下などの影響があるという。どれも恐ろしいものばかりだ。また、マルチタスクは仕事の生産性を40%も減少させるという研究結果もある。

 

私の場合、仕事でマルチタスクになるのはある程度仕方のないときもあるが、問題は私生活もかなりマルチタスクをだというところだ。食事中はYouTubeを見ているし、家事仕事をしているときには音楽を聴いたりYouTubeで誰かの講演会や本の朗読などを聴いたりしている。寝るときも朗読を聴きながら寝る。ひとつのことだけに集中している時間がほとんどない。家事だけしていると時間がもったいない気がするし、寝るときに静かだと布団の中で頭が高速回転を初めていろいろなことを考え出し眠れなくなってしまうのだ。

また酷いときにはYouTubeを見ている最中にニュースが気になってテレビをつけて、なおかつスマホでいろいろ調べ始めてしまうときまである。目の前に何の関連もない画面が3つ開いている異常な状態だ。

 

自分の思考力や集中力が落ちたなと感じ始めたのと生活のなかにYouTubeを取り入れ始めたのが同じ時期だということは薄々感じていた。

まず、朗読を聴きながら寝ると夢をほとんど見なくなった。元々は明晰夢を毎日見ていたのに。夢は私の想像力・創造力の源泉でもあった。

そして、自分を向上させるために何かを吸収しようと家事の最中に聴き始めた講演会や朗読もそれほど頭の中に残っていないことにも気がついていた。それでもながら聴きを止めることも寝るときのYouTubeも止めることができなかった。記憶力も思考力も行動力も低下し、人間としてどんどん能力が下がっていっているというのに。たくさん知識を吸収したいという欲望もあるが、それ以上に自分がいろいろと後ろ向きなことを考え始めるのを止めておきたいという気持ちがながら聴きから足を洗うことができない大きな理由だ。何かで頭をいっぱいにしておかないととんでもなく後ろ向きのことマイナスなことを考え、不幸な将来の妄想を始めるからだ。私はそんな恐ろしい未来を引き寄せたくないので自分のマイナス思考をどうしても止めておきたいのだ。

だが待てよ。脳が疲れているからマイナスなことしか考えないのかもしれない。脳が元気ならば私にもプラス思考を続ける能力を発揮できるかもしれないじゃないか。

今日から早速ながら聴きを止めてみようかな。寝るときの朗読も聴かずにおこうか。いや、絶対頭が冴えていろいろ考え始めてしまう。それならば明日からマインドフルネスを毎日の生活に取り入れるしかないかもしれない。マインドフルネスで頭の中のいらないものを処分しなければ痴呆まっしぐらの可能性も否めない。恐ろしや。

いつも疲れているのも脳疲労からきている可能性もある。今年は脳を癒して元気にして、はつらつとした人間に生まれ変わろうかな。