活字の森 思考の迷路

読んだ本や考えたことなど徒然なるままに書いていきます

お経が予言する終末を回避する方法

 

最近世界が、世の中がおかしい。

みんな怒っていて多くの人が攻撃的で、陥れたり陥れられたり、戦争を始めちゃった国もあったりして、一体どうなっているの?

そんな風に思っているのは私だけではあるまい。

本当に一体世界はどうなってしまったのか、その謎を教えてくれたのが怪談説法で知られる日蓮宗住職・三木大雲上人の「怪奇妙法伝」だった。Prime Videoで視聴できる。30分24本という大作だが私は一気に見てしまった。ちなみに「怪奇妙法伝」の「妙法」とは法華経を指す。妙法は日本においては聖徳太子の時代から大切にされてきたらしい。そして南無妙法蓮華経を広めたのが日蓮なのだ。

 

三木住職の元へは霊障に悩む人達から相談が寄せられ、障りをなす霊のために供養のお経を唱えるそうだが、あるときからそれがなかなかうまくいかなくなってきたと思うことがあるのだそうだ。

その理由として三木住職は神様がこの国を去っていってしまっているので神仏を勧請してお祓いしようと思っても手を貸していただけなくなってきたのではないか、と考えているのだという。ここで「住職の力が弱っているのでは?」と穿った見方をしてはいけない。神仏が国を捨ててこの世からいなくなってしまう、それがどういうときに起きるのかということがお経の中にちゃんと書いてあるといい、世の中がそのお経の通りになっているというのだ。

三木住職はコロナ禍が始まる前の2019年の大阪で行われた怪談イベントで「2020年を迎えるにあたって注意がある。来年には疫病が流行る可能性がある」と警告を発していた方だ。三木住職になぜそれがわかったのかというと「お経の中にそれが書いてあるから」だという。そして、神仏がすっかりこの国を捨て去ってしまう前に多くの人たちにそのことに気づいてほしいと活動している住職の警告の動画がこの「怪奇妙法伝」なのだ。なので楽しい怪談話を期待してこの一連動画を見るとおそらく大層がっかりすることになると思う。

 

さて、三木住職のおっしゃる「お経」の中には一体どんな警告が書かれているのか。

それはオカルト界隈では「日蓮の終末予言」として知られる三災七難だ。三災七難とはWikipediaによると仏教で正法に背いたり、正法を受持する者を迫害すると起こるとされる禍のことだ。日蓮は正しい仏法を受持しなければ蒙古が攻めてくると認めた「立正安国論」を時の執権北条時頼に提出したが、日蓮も三木住職同様しっかりと経文を読み解いてそのような予言をされたのだろう。

ja.wikipedia.org

 

神仏が国を捨て去ってしまうのは一体なぜか?

ただ単にお坊さんや仏教に背いているから起きる、ということでもなさそうだ。この動画を見たところで言うと、金光明経の中に「互ひに相讒諂して枉げて辜無きに及ばん(たがいにあいざんてんしてつみなきにおよばん)」という一文があり、それは現代に置き換えると罪を犯した人はもちろん罪のない人をもみんなでよってたかって文字や言葉で攻撃して叩きのめすことに当たるようだ。テレビやインターネットがない時代には村の中での罵り合いですんでいたものが、いまや世界中どこからでも一人の人を叩けるようになってしまった。または自分の正義を声高に主張したりお互いに足を引っ張り合う。すると仏教で人間の境涯を十種類に分けた十界(地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天界・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界の10種類)の人界より下の地獄・餓鬼・畜生・修羅の四悪趣と呼ばれるよろしくない境涯の方へ世の中がどんどん進んでいってしまう。これが神様が世の中からいなくなってしまう理由なのだという。

私は三木住職がこういったことを語る箇所を見て「わー、アメリカなんてまさにそうじゃん。トランプとかポリコレとか……」と思ったが、日本もそうだった。正義や平和を掲げていながら暴力的で怖い活動をしている人たちがよくデモをしている。自分とは主義主張が違う人が暗殺されたと大喜びする人までいる。それで日本の没落も始まったのか、と背筋が寒くなった。

世の中の人たちがお互いのことを責め合って許すことをしない。ほめることもしない。そういう世の中になっていくといままで神様が頑張って私たちを護ってきてくださった、助けようとした思いが無になってしまう。すると「この国に留まっていてもしょうがないなー」と思われてこの世から天にお帰りになってしまわれるのだという。いままさにそのような状況だといえないだろうか。みんなが悪口を言い合ったり他人の不幸を自分の喜びとするようになるとこの国が陰の気に包まれてそこが心霊スポットのようになってしまうらしい。幽霊が集まるとかそういうことではなく、あらゆる不幸や災いが集まってくるということだと思う。

 

三災の中のひとつに「疫病」というものがあり、三木住職はお経に照らし合わせて2020年より前の時点で「これから疫病が蔓延する」と確信したのだそうだ。ちなみにノストラダムスの大予言のときには前兆はなかったが、「今回は前兆があるから私は言っているのです」と三木住職は仰っていた。

そして三木住職が疫病の蔓延の次に来ると仰っていたのが、「穀貴(こっき)」という災いだ。穀貴とは飢饉などが起きて穀物などの価格が高騰したり品切れしたりして手に入らなくなるという災禍だそうだ。三木住職は「少なくとも私が生きている間に世の中は混乱する」と言い、多少言葉を濁しておられたが、穀貴は2024〜2025年の間には食べ物が不足し始めるのではないかと予測しておられた。最後に来る「兵革」の前に起こる現象もお経の中に書かれているそうなので、どうなったらそれが起きてしまうのかも知りたいところだ。

三木住職は直接「怪奇妙法伝」で触れてはおられなかったが、三災の残るひとつは「兵革(ひょうかく)」という災いで、これは文字通り戦乱や革命で世の中が乱れる災いだ。三木住職はこれら「穀貴」「兵革」が起きる前に世の中をなんとかしようと怪談説法に名を借りて活動されているようにお見受けできる。普通、末法思想とか終末思想というと世の中が乱れて人類滅亡という結末になるが、三木住職がおっしゃるにはお経の中にはそうならない方法(助かる方法)もちゃんと書かれているそうで、それを広めるために「怪奇妙法伝」も作られたのだろう。

その、世の中を終わらせない方法とは何か。三木住職は日蓮宗のご僧侶だが、日蓮宗に入れとか何かの宗教をしなさいということは訴えておられない。ただ、私たち一人ひとりが「徳」を積む生活をすることが神仏が戻ってきてくれる世の中を取り戻す方法だと仰っている。それは人に親切にすることだったり街に落ちているゴミを拾うことだったり電車でお年寄りや病気の方に席を譲ることだったりと誰にでもできることだ。

ということで私は何の徳を積んでいこうか、神仏を日本国にお戻りいただくために何をしようかと考えた。こっそりやっているゴミの日の前夜のゴミ拾いを続けること、仕事で仲間が大変そうだったら進んでお手伝いすること、電車で席を譲ること、人に接するときは笑顔でいること。そして、毒を吐かないことだと思った。ブログやTwitterで人に対する悪口や批判、読む人の恐怖を煽るようなことは書かない。不平不満、愚痴、泣き言、文句、悪口を言わない。そういう身の回りのできることからすぐにやっていこうと思った。

「怪奇妙法伝」は怪談だけを聞きたい人には物足りないし小難しいしつまらないだろうと思うが、私は怪談抜きでもっと詳しくお経の話を聞きたいと思ってしまった。三木住職もきっと本当はもっと本格的にお経のことを語りたいのではないかと勝手に勘ぐってしまったりもする。お経にはお経の中にすでにブラックホールの存在が書かれていたり量子力学的な話がかかれていたりもするらしいのでそういうことにもすごく興味を惹かれる。

そういえば、奇しくも明日10月13日は日蓮の命日だ。毎年10月11日〜13日まで日蓮入滅後にある東京の池上本門寺ではお会式という行事が営まれている。私は仕事があるので行ったことはないが、12日夜には100基以上の万灯という五重塔の形をした明かりを灯した立派な飾りが練り歩くらしい。あ、12日って今日じゃんね(汗)。コロナの縛りもゆるくなって外国人旅行客も受け入れるようになったから今年は盛大に行われたのかな?1回は見学してみたいなあ。