冬にはももひきが必要らしいとやっとわかった件
それは長年の疑問だった。
冬の期間、なぜみんなお尻が出るくらいの短いジャケットで平気なのか?
お尻や太ももは寒くないのか?
「動きやすいじゃん」とある知人は言った。
動きやすくてもお尻が冷たいと嫌じゃない?と思ったけれどそれは言わなかった。
いくらダウンジャケットでもお尻や太ももが隠れないのでは怖くて故郷の信州へは帰省できない(いやもう何年も帰ってないけど)。
いくらおしゃれのためでもお尻と太ももが寒いのは嫌だなあ。
そんな私はロングコート一択なのである。
ところが先日、駅に向かって歩いているときに突然わかった。それまで考えていてこととは全く関係なく、何の脈絡もなくそのひらめきは私の頭の中に突如としてやってきた。それは
「そうだ、みんな多分パンツの下にももひき、ズボン下、スパッツ、ヒートテック、暖パン、なんかそんなようなやつを履いているのだ!!!!」
ということだった。なあああああんだああああ、そういうことだったのかと、それはもう「ユリイカ!」と叫びたいくらいに積年の謎が一瞬にして氷解したのだった。もしかしたら神の啓示と言ってもいいかもしれない。
私はそのような装備を何十年もしていないため、そんな簡単なことがわからなったのだ。
みんながパンツの上にヒートテックももひきその上からズボンだとしたら、私はパンツにズボン以上!で何十年も過ごしている。だからロングコートじゃないと寒いと思っていたのだ。
どうしてそんなことになったかというと、私は子どもの頃、剣道を習っていた。剣道場では夏でも冬でも胴着の下は男子はパンイチ、女子はブラも許す(場合によってはTシャツやキャミソールも)だったので、その装備のまま生きてきたのだった。それに、たま〜にズボンの下にタイツを履いたことはあるけれど、ズボンとタイツの摩擦が気持ち悪くてあまり重ね履きをしたくないのだ。
しかし、剣道場に通う以前は毛糸のパンツとかズボン下とか履かされていたという記憶もももひきユリイカとともに蘇ってきた。剣道は大して上達しなかったが、寒さにだけは耐性ができたようだ。
まあ、東京は暖かいからずっと屋外にいるのでなければ上着さえ暖かければ下は秋物の洋服でも過ごせるんだけどね。そういえば、上京してきたばかりの頃、ダウンコートの下は半袖Tシャツという人を何人も見かけて信州人の私は驚いたなあ……。信州は(松本、安曇野、塩尻だけかもしれないけど)室内も寒いからなあ。